mend&co.

もったいない器が、“ほしい”に変わる

捨てずに、価値へ

日本の陶芸と金継ぎの魅力を、世界へ。
職人の手によって生まれた器たちを、丁寧に、そしてできる限り無駄なく活かす。
mend&co.は、現代・伝統を問わず陶芸家と日本を訪れる人々をつなぎ、「直す」文化とともに、できる限り多くの作品に新たな光を当てる価値の循環を紡いでいきます。

廃棄される陶器について

陶器の制作過程では、どうしても「A品」として出荷できない作品が一定数生まれます。
一般的に、完成品の約1割が「B品」またはそれ以下の等級になるとされており、その一部はアウトレット販売に回されますが、多くは廃棄されているのが現状です。

このような処分には、費用や手間がかかるうえ、環境負荷の観点からも課題があります。
また、手間をかけて作った作品が市場に出ないまま処分されることには、作り手として複雑な思いを抱える方も多いのではないでしょうか。

海外から日本を訪れる多くの旅行者が、金継ぎの精神や美しさに深い関心を寄せています。私たちは、そうした関心に応えるかたちで、作り手の皆さんが丹念に生み出した器を、金継ぎという新たなかたちで外国人旅行者に届ける橋渡しを目指しています。

金継ぎ作品、「欲しくてもなかなか買えない」現実

日本では金継ぎ体験が観光客の間で人気を集めていますが、実際に完成品としての金継ぎ作品を購入できる場所は非常に限られています。多くの体験施設では、その場で自分で修復を体験することが目的であり、完成品を販売するギャラリーや店舗はまだ少数派です。

また、観光客向けの情報サイトやSNSでも、「どこで買えるのか分からない」「売っている場所を見つけるのに苦労した」という声が多く見られます。さらに、既存の販売場所でも数量が限られていたり、アクセスが難しかったりと、偶然の出会いに頼るしかないケースが大半です。

このような現状は、金継ぎに関心を持ち、日本文化の深みを感じ取ろうとしている外国人観光客にとって、大きな障壁となっています。完成された金継ぎ作品をもっと気軽に、安心して購入できる仕組みが、今まさに求められているのです。

海外で高まる金継ぎと工芸品への関心

金継ぎは日本で古くから受け継がれてきた、壊れた器を丁寧に継ぎ、美しさを見出す修復技法です。その精神や美意識は、いまや海外でも広く共感を集めています。近年では、Vogueをはじめとする海外メディアでも金継ぎに着想を得た作品が紹介され、「壊れたものをより美しくするアート」として世界的な注目を浴びています。

また、近年の訪日外国人観光客の購買傾向を見ると、伝統工芸品への関心と支出が大きく伸びています。2023年7~9月期には、旅行者1人あたりの工芸品購入額が平均13,338円となり、2019年比で約80%の増加が見られました(観光庁調査)。「お土産に買いたい品目」としても、伝統工芸品は28.5%を占めています。

こうした流れは、これまで市場に出せなかった器やB品にとっても、新たな可能性を示しています。私たちは、金継ぎという魅力を活かして、捨てられるはずだった器がもう一度誰かに大切にされる道を作りたいと考えています。